桃太郎伝説と4神獣(5)

8月5日のオープンクラスは空席あります。

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(海の波が高かったので撮ってみました。残念!)




これは続きものです。以前の記事はこちらをご覧ください。


桃太郎伝説と4神獣(5)

✿ おばあさんが川でせんたくをしていると、
ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ」
 おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました。 ✿

解説:川で洗濯をするのはおばあさんの日課です。
おばあさんは日々川に行って心と身体と魂の洗濯にいそしみます。
生きているとはそういうものと言われているように思います。
心も身体も魂もこの三次元世界で、
本来はなかった垢をこの世で付けたので絶えず洗い流していなければ、
世事に埋もれ欲にまみれ魂としての目標を忘れがちです。

そのことをこんな短い文章で伝えています。
その成果として川上から桃が流れてきます。
「待てば海路の日和かな」ではありません。
毎日心身の洗濯に励んだ結果です。
桃は文字通りの結果であり、成果です。
日々の洗濯がなければ桃は手に入らないのです。

✿ そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、
なんと中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。
「これはきっと、神さまがくださったにちがいない」
 子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。 ✿

解説:成果の桃が神さまから下されました。
神さまからのプレゼントです。
プレゼントは男の赤子でした。
神さまは日々精進するふたりに次の課題を差し出したのです。
それが神さまからのプレゼントです。
次世代に命を繋ぐ経験ができることをおじいさんとおばあさんは喜びます。
命を繋ぐことと生きる知恵を引き継いでもらうこと。
神さまの意向とふたりの意向は一致しています。
赤子は四六時中の世話が必要です。
気を抜くことはできません。
世話がなければ死に絶えます。
自分の意思で動けるまでお世話は続きます。
おじいさんとおばあさんの想いを受け継ぐ赤子が、
行動に出られるまで手厚い世話が必要です。
次世代に神の想いを受け継ぐ子供を育てるには、
世話する者に思慮分別が必要です。
思慮分別は老いて備わる知恵です。
老成した心の持ち主は我欲で子供を育てません。
そこで桃太郎を養育する任をまかされるのはおじいさんとおばあさんになります。
おじいさんもおばあさんも
森羅万象全てが神の御心で成り立っていることを知っているので霊性を大切に育てます。
そう言いたくてこの物語は人生経験の長いおじいさんとおばあさんを、
赤子の世話人にしました。

✿ 桃から生まれた男の子を、
おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
桃太郎はスクスク育って、
やがて強い男の子になりました。 ✿

解説:赤子の名前が「桃太郎」になったのには意味があります。
「桃」は果物で「成果」だとお話ししました。
子供を授かるのも成果です。
人間の願いと神の願いが一致するから下された面もありますが、
それまでの生き方に神が認める成果があったので子供を授けたのでしょう。
ここでは肉体的な存在としての話になっていますが、
物質をともなわない無形の子供(=天職)という面もあるでしょう。
そのことについてはここでは言及しません。
しかしこのことは重要です。
ですから頭の片隅に天職に携わることも「桃太郎」なのだと、
承知して置いてください。
名前の「桃太郎」については、
おじいさんとおばあさんにとっての成果であり、
次に取り組むべき課題だと説明しましたが、
何故「桃」なのかについてこれ以上の説明を躊躇います。
しかしここには大切な隠れた要素があるように思います。
聖書に出てくる「林檎」、
古事記・日本書紀に登場するスサノウの命が黄泉の国から逃げ帰るときに投げた「桃」、
どちらもバラ属の果物です。
果物でありながら万人に取って食すに適しているとは限りません。
これがどんなメタファーを含んでいるのか考えても明快な答えを見つけられません。
しかし安全なところで当たりをつけると、
何事かに乗り出す時、
大切なことは「身体に聴く」ということではないかと思います。
これがこの物語の隠れたテーマになっているように思います。
もっと言えば五感を超えた第六感に至る前の段階を大切にするようにということです。
桃を前にすると五感はフル活動します。
目で愛でると色と形の美しさに魅了されます。
匂いを嗅ぐとその芳香は身と心を浮揚させます。
触れればその柔肌の繊細さに感動を覚えます。
桃を耳に近づけると聞こえない音を聴いた気になります。
最後に桃を食べてその味を堪能します。
その時口の中で五感の全てが脈動し身体で官能を覚えます。
その全ての感覚を大切にするようにという意図を、
「桃太郎」という名前に感じます。
この五感を働かせられることが「強い男の子」の証になります。

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(今年のねじりバナは一際色濃く背も高い)


✿ そしてある日、桃太郎(講師注:思考)が言いました。
「ぼく、鬼ヶ島(おにがしま)へ行って、わるい鬼を退治します」 
 おばあさんにきび団子を作ってもらうと、
鬼ヶ島へ出かけました。 ✿

解説:そして心も身体もしっかり育った桃太郎は、
自分のこれからの計画を口にします。
自分の人生の課題に取り組む用意ができたと桃太郎には思えたのです。
ここの展開は注意深く読まないと先が理解できにくいので、
先を急がず解説していきます。
この物語は自分の人生の課題(=悪い鬼退治)に取り組むための、
道づくりを示しているので、
そこを読まないと単なる武勇伝で終わってしまいます。
人生の課題とは生まれる前に決めた人生計画のことで、
差し詰め桃太郎にとっては「(悪い)鬼退治」です。
人生の課題が分かるには、
愛情深い人生の先輩が庇護してくれる必要があります。
自分の判断は自分に相応しいのだと思える自信が必要だからです。
この三次元世界は目の前に二元論が繰り広げられます。
その二元論に対し、
自分はそれにどう対処するかを常に取捨選択をすることになります。
だから桃太郎は「(悪い)鬼退治」をする決意を表明したことになります。
桃太郎は自分にとっての善悪、適不適を判断でき、
それをおじいさんとおばあさんは認めたのです。
自分を育ててくれた者たちが、
自分の下した選択を是と認めてくれたことが桃太郎には自信になりました。
この世は三次元の世界であり二元論の世界です。
私たちは絶えず二者間の選択をしながら魂磨きに勤しみます。
その二者をわたしたちは善悪と振り分けがちですが、
良し悪しは最初から決まっていることでは無く、
魂の成長度合いに合わせて、
適不適(適当・不適当)の選択をすることになります。
これはピッタリかピッタリではないかということで、
いい加減という意味は全くありません。
これをこの物語では善悪という言葉で表していますが、
勧善懲悪という意味では無く、
魂の成長に合わせてピッタリの選択ができるかどうかを問うています。
つまりここまでを心の成長過程と読むと、
人が人生の課題に取り組めるには、
この桃太郎と同じような過程を踏めることが望ましいと読めます。
桃太郎の庇護に当たったおじいさんとおばあさんの生活態度から
子供の養育に携わる者は、
1:自然の摂理に則った生活を大事にする者であること。
2:子供は神さまからの贈り物(又は預かりもの)であると理解できること。
3:庇護者と子供の関係は互いに意思表示ができる関係を作っておくこと。
こうした心懸けが望ましいと読めます。
しかし現代を生きる私たちにはとても難しい心得と思います。
1:自然の摂理に則った生活を大事にする者であること については、
わたしたちの生活全般が自然の流れに沿って過ぎていく訳ではなく、
商業ベースに合わせた集団生活を送っています。
密集した家の構造では土地の磁場から離れ、
これがわたしたちを自然から遠去ける要因になっています。
毎日を自然の観察者として過ごせば、
そこに森羅万象を治める人智の及ばない神の存在を感じることができますが。
2:子供は神さまからの贈り物(又は預かりもの)であると理解できること についても、
子供の出生に関しては、
どこまでが神さまのご意志でどこまでが人の我によるものか、
デリケートな難しい問題です。
つまり、子供が生まれた時から神さまからの預かりものだという心構えがあれば、
子供こそ神さまの化身だという気構えで子育てに取り掛かれるでしょう。
子供は何もわからない存在として生まれたのではなく、
子供独自の意志と知恵と目的を持って生まれた存在と端から思えるはずです。
わたしたちは往々にして子供は動物として生まれたので、
教育しなくてはいけない、教え諭さなければいけないと勘違いしています。
その思い違いが親子関係を難しくし、
魂本来の願いを生きられなくしています。
3:庇護者と子供の関係は互いに意思表示ができる関係を作っておくこと については、これこそがここで解説していくべき課題と感じています。
生まれてから自分の意思・意志で自分の魂の課題に取り掛かるには、
この地球の三次元の中で自分の身体と心を、
三次元の条件の中で意志通りに動かせなくてはいけません。
ここで桃太郎を「思考」としたのは、
物事を決定する心の機能は「思考」だということです。
養育する側に子供は自分でものを考える、
つまり「思考」ができることを念頭に子供と関わることではないでしょうか。
その証明が、
「ぼく、鬼ヶ島(おにがしま)へ行って、わるい鬼を退治します」という、
桃太郎の決意表明です。
ケイシー・リーディングに、
[感情の中にある力は、理想によって支配されない限り、しばしば躓きの石になります。
And those influences in the emotions, unless they be governed by an ideal, often may become as a stumbling-stone.(1599-1)]
と、あります。
桃太郎伝説とは反対の表現をしています。
理想に裏打ちされた情熱(=感情)は躓きの石にはなりません。
桃太郎伝説はそれを言っているのだと思います。

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(崖に咲くピンクの紫陽花です)



by dream-bannai | 2023-06-14 15:42 | 桃太郎伝説と4神獣

夢療法とは、自分の夢から自分へのメッセージをひも解き、心の成長を目的に、それを日々に生かしていく療法です。 夢のメッセージをボディ、マインド、スピリットの三方面で受け取り、それを自分の現状に役立てる療法です。


by amanotorifunean
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